さて、５巻です。今回は今までとちょっと毛色の変わった内容になっています。
題名になっている「黒いゆうれい船」について帯や裏表紙のあらすじで触れられていないので、ここでは書かないことにして…ということで、今回は書くことがありません（笑）。今までのような悪漢と戦う冒険譚たんではないため、お話の背景について書きにくいのですよね。
しかしながら、表紙ではゆうれい船は小さく、ユーリとノエルの繋がりこそがこの話のキモであることを感じされています。そう、この話はあくまで「ゆうれい船」というガジェットを描くのではなく、人の熱い想いを描いているのです。
ノエルが予言者カラザンの部屋で見つけた古い航海日誌。そして、そこに書かれていた「ユーリが未来からこの世界に落ちてきた」時のこと。これが物語の鍵になっています。つまり、今回は、ユーラスティア号の船長ユーリのルーツを探る話です。これまでにも、未来世界でのユーリたちのことは折に触れて描かれてきましたが、こちらの世界に来てから「何故海賊になったのか」「どうやって海賊になったのか」という部分については語られることはありませんでした。
伝説の少女海賊と海賊船。その最も重要な部分に、今回は迫るわけです。
もちろん、シリーズものとしてのお約束、手に汗握るシーンやＳＦ的な描写はしっかりと含まれていて、
そして、呪われた「黒いゆうれい船」とは何なのか。それがユーラスティア号の前に現れた時に、物語の幕は上がります。
あとは、あなたの目でお確かめ下さい。
(2004.07.03)