さて、７巻です。今回は、１巻から続く謎の一つ、ノエルの弟・ヨハンの物語です。１冊目の「なぞの時光石」で生死不明のまま行方不明とされていたヨハン。王子という身分の人間が行方不明ということは、「占領軍に殺された」とか「オーデニアに捕らわれている」という具体的情報がないと言う事ですから、どこかに生きている可能性が高いわけで、それは伏線の一つだったわけです。
そして、毎度おなじみ悪徳商人ヒップスを捕まえてみたら、彼が売りさばいていた子供たちの特徴にヨハンがぴったり。そこからたどり着く情報が「氷の島の女王」です。
女王様、表紙で一人苦悩していますね。彼女の苦悩がこの巻のストーリーになるのですが…。イメージ的に「氷」「女王」「子供」「人さらい」というと、アンデルセンの「雪の女王」を思い出してしまいます（笑）。そういえば、女の子が助けに行く、という点でも共通項があるのかもしれませんが。
一人で氷の城を目指すゲルダと違って、こちらは海賊集団！。速度とパワーで負けてはいません（笑）。もちろん、強敵もいれば、ピンチにもなります。
そんな冒険譚ですが、これまでに張り巡らされた伏線からの展開が怒濤のように押し寄せる作劇は驚きの連続です。ともかく、懸案だった「あの人」も出てくるこの話。ユーリの将来を占う上でも重要な回になっていると思います。
そのわけは、是非本編を読んで…。
(2005.07.12)