デジモン劇場版３作目。監督を代えての登場です。前後編合わせて６０分。その時間の延長と共に、今までの劇場版中、最も凶悪な作りになっていると思います。
その演出は賛否両論（どちらかというと賛成多数と感じました）でしたが、私が好きである以上、ここには載せるわけで。
ストーリーは、ニューヨークでミミといっしょにいるヒカリとタケル。ヒカリがデジモンを感じると、ミミが消えてしまう。同時に、日本にいた太一たち初代選ばれし子供たちも。ヒカリとタケルは戦うデジモンとパートナーの少年を目撃。後を追うことに。日本で休日を過ごす大輔たちもアメリカへ。そして少年ウォレスと謎のデジモンを追うことになるが…。
今回はアメリカを移動しながらのロードムービーです。
３０分＊２本の長さで、大輔とウォレスの二人を中心に夏の日が描かれて行きます。ともかく丁寧な作りで、淡々と物語は進んで行きます。
そう、この作品は前２作と違って「静」が描かれています。
だから、常にハジケているような作品以外は認められない、という人にはお薦め出来ないかもしれません。
盛り上がりも含めて、常に「静」を感じさせる。そんな不思議な作品です。
わかりやすいと言えば、テーマ曲が一番わかりやすいかも。Ａｉｍさんの「スタンド・バイ・ミー 〜ひと夏の冒険〜」です。そう、あの映画「スタンド・バイ・ミー」がテーマの一つであろうことが推測されます。ちなみに、この曲も映画に非常によくマッチしています。「映画スタンド・バイ・ミー」でそのテーマソングが全体を統一していたように。
この曲、一時期ＮＥＣインターチャネル提供番組のＣＭで結構頻繁に聞けたので、ご存じの方も多いかもしれません。本家「スタンド・バイ・ミー」とは全然雰囲気の違う、張り詰めたような歌が映画を思い出させます。
ちなみに。この映画、劇場では「前編」と「後編」の間はアイキャッチだけでなく「カウントダウン」があったのですが、ＤＶＤではこれが削られていました。正直「わかってないなー」って感じです。がっくし。
そういえば、この映画は、私が生まれて初めて「東映まんが祭り系映画を映画館で観た作品」ということになります。いい年して何をやっているんだか…という気にもなりますが、実際「デジモン」の映画は万難を排して映画館で見るだけの価値のある作品だと思います。ホント、安いもんですよ。これだけ楽しめれば（併映の「おジャ魔女どれみ＃」も素晴らしい出来でしたし）。
2000年７月・「2000夏 東映アニメフェア」にて公開
2000夏 東映アニメフェア 映画デジモンアドベンチャー０２
前編 デジモンハリケーン上陸!!
後編 超絶進化!!黄金のデジメンタル
| 企画 | 関弘美 |
| 原案 | 本郷あきよし |
| 監督 | 山内重保 |
| 脚本 | 吉田玲子 |
| キャラクターデザイン | 中鶴勝祥 |
| 総作画監督 | 相沢昌弘 |
| 音楽 | 有澤孝紀 |
ＤＶＤは「東映ビデオ」より発売。
映像特典として「カードゲームの遊び方ver.1」「劇場予告」「ＴＶスポット」（パッケージ未掲載「動くデジモン図鑑」）収録。
ＣＤは「NEC Inter Channel」より「オリジナルサウンドトラック」が発売。アコースティックギターのアメリカとグロッケン風＆パーカッションのデジタルワールド（とはちょっと違う世界）が今までのデジモン音楽と違って面白い一枚。
2001.05.03