さて、現在（2001.09.29）、邦画劇場最高動員数を塗り替え、洋画の最高をターゲットに上映されている「千と千尋の神隠し」です。
宮崎先生の作品は「風の谷のナウシカ」以降は「となりのトトロ」を除いて全て劇場で見ているので、これも、当然のように劇場で見るつもりでした。
混雑する夏休みを避けたために、見に行く前には多くの人の「いい」「いやそれほどでも」という話は聞いていましたが。ストーリーに関しては、ほぼ完全に情報を絶っていたためにどういう作品なのかも知らずに劇場に行って来ました。
しかも、昼ごろ思いついて、成り行きまかせで。
そして、宮崎駿さんの最近の作品としては、ナウシカ以来の良い作品だと思いました。
ストーリーは。田舎に引っ越して来た千尋の一家は、引っ越しの最中に、道を間違えて山の中のテーマパークのような所に迷いこむ。
しかし、そこは現実世界とは異なる異界であり、千尋は両親と共にもとの世界に戻るためにがんばることになる。
と書くと、いつものように何か違う気がしますが、これ以上は言わぬが花という奴です。冒険ものではありませんが、私には冒険もののテイストで語られているように感じた作品です。
昔の東映の劇場用アニメ作品のようにシンプルで単純に面白い作品。
演出は抑え目で名作劇場のようですが、何より良かったのは「主人公の千尋」でしょう。そういった素直な面白さを、ぜひ、楽しんで頂きたい所です。
劇場、と言うことで語るなら、スクリーン全体を覆う映像の美しさでしょう。他のアニメ作品とは明らかに違った色使い。特に、夜のシーンは幻想的かつ派手な光景が繰り広げられます。これはよっぽどの大画面でないと堪能できないと思いますから、劇場に足を運ばれるのが良いと思うのです。
「劇場公開、もう終わっちゃったよー」という方ならビデオ等で見ることになると思いますが、こういった作品は何年かするとリバイバル上映の機会もあるでしょうから、そういった時に大スクリーンで見ると評価が変わったりするのではないかと思います。
ともかく、何か考えなくてはならないようなテーマを引きずった作品が多い中、単純にわくわく出来る作品。久しぶりにそういった作品に出会えた。そんな作品でした。
だから、雑誌の記事や有識者の解説なんかに耳を貸さずに、難しいことを考えずに軽い気持ちで見に行きましょう！
（2001.09.29）
2001年夏休み〜上映
千と千尋の神隠し
| 原作・脚本・監督 | 宮崎駿 |
| 作画監督 | 安藤雅司、高坂希太郎、賀川愛 |
| 動画チェック | 舘野仁美 |
| 美術監督 | 武重洋二 |
| 音楽 | 久石讓 |
| 主題歌作曲・歌 | 木村弓 |
| 主題歌作詞 | 覚和歌子 |
| 製作総指揮 | 徳間康快 |
| − | 「千と千尋の神隠し」製作委員会 徳間書店、日本テレビ放送網、電通、東北新社、三菱商事 |
| 制作 | スタジオジブリ |
| プロデューサー | 鈴木敏夫 |
| 配給 | 東宝 |
ＣＤは「徳間ジャパンコミュニケーションズ」より発売。
主題歌「いつも何度でも」、イメージ・アルバム、サウンド・トラック。
参考書籍