さて、遊撃宇宙戦艦ナデシコの徳間書店版です。「アニメージュコミックスエクストラ麻宮騎亜セレクション」などという長い名前で出ています。
基本的に角川版に描き下ろしの短編と付録を付けた内容ですが。値段は倍ですな（笑）。判型が雑誌掲載時と同じになり、見やすくなっていること。紙が上質紙であること。この２点からしても「遊撃宇宙戦艦ナデシコ」という作品が好きな人なら「買い」かもしれません。…いや、まあ、角川版を持っている人は「違い」をよく考えて。まだ持っていないのにこんなネタバレページを覗いている人は…基本的に手にはいるのは徳間版ですが、角川版もまだ今なら(2003年03月時点)おいてある書店はありますから…やっぱり収録内容をよく考えてお買い求め下さい。もちろん、これから買う人には描き下ろし短編やおまけの付いている徳間版をお勧めしますが。中には「対談読みたい」という人もいるかもしれませんので（笑）。
カバー
カバーは上巻がユリカ嬢＆白ルリちゃん、下巻がカグヤ嬢＆黒ルリちゃん。この作品の中でカグヤ嬢がいかに作者から好かれているか。ルリちゃんが大きな位置を占めているか、ということがわかります（笑）。
口絵は角川版からのセレクトですが、下巻で表紙をめくった所にいきなり角川版３巻のルリ艦長を持ってくるあたり、我々は狙われています（＜だから、角川版もそういう口絵だったんだって）。
本編
本編は角川書店版と何も変わりませんので（笑）。ルリルリがかわいいです（笑）。
実は、１カ所だけ違う所がありまして。ガヴァメントのカラー裏。「亜空間通信カードのプレゼント告知ページ」が「ネルガル重工からの年賀状」になっています。基本デザインは「手ぬぐい」と同じですが。雑誌的演出の部分ですが、ここが本編最大の違いです。どっちも完成度は高くて、面白いのですが。
ネルガル重工お年賀手ぬぐい
上巻の付録。ルリちゃんと９８をデザインした本物の手ぬぐいが付いてきます。でも、作品中ではネルガル重工って最初だけなんですけど…。これ、私の持っている本では表紙裏に貼り付けてあったんですが、本来は後ろに付いているお年賀の台紙に貼り付けられているべきだと思うんですよね。…私のがエラーだったのか、全ての本がそうなのかは分かりませんが。
宇宙戦艦カグヤ−封印された悼み−
退役艦の最後のパトロールで事件に巻き込まれるというのはお約束で。戦艦以外でもマジンガーＺ（対暗黒大将軍）やファントム無頼などいろいろな所で目にしますが。やっぱりモチーフは「さらば宇宙戦艦ヤマト」でしょう。「遊撃」ブランドですからね。タイトルはＣＣさくらっぽいですが（笑）。
それはともかく。やはり、描ききれなかったカグヤＢとそのスタッフを描く短編、という位置づけですよね。とくにホウショウさん、ルリちゃん以外のクルーはほとんど顔見せ程度でしたから。でもね。ここでも活躍するは我らがルリちゃんです。そう、やっぱりルリちゃんのストーリーです。そうに違いない。本編では白ルリちゃんに比べて影の薄かった黒ルリちゃんですが、実力は同等。黒髪のルリちゃんっていうのも、やっぱりいいね（笑）。
って…そういう感想でいいのだろうか…。
CD-ROM
過去の遺産。本当は紙ベースで収録してくれると見やすくて嬉しいのですが、コストを考えると無理なのでしょうねぇ。内容は収録の方に書いた通り、カラーイラストとラフイラスト（キャラクターとメカの設定）、そしてデスクトップアクセサリーの解説とイメージＣＤのドラマ部分のプロットです。カラーイラストやキャラクターラフはＴＶ版のものも含まれ（麻宮先生が原案を提出、イラストも一部手がけられているのだから当然である）、遊撃宇宙戦艦だけでなくＴＶの漫画版としてもまとまった資料として結構重宝するのではないかと思います。
大ボリューム、と言うわけではありませんが。ぱっと見られる資料は結構良いですよね。