「面白かった」本編ピンポイント感想
ここは、「機動戦艦ナデシコ」本編の感想です。
本放送時には散々辛い感想を仲間内で言っていたのですが、ＬＤ発売後の視聴や、映画公開後の視聴でかなり見方が変わってきています。このページは、更に後のＤＶＤ版視聴にあわせて書いたものです。初見の衝撃がなくなっているので、かなり甘い物になっていることはご容赦下さい。
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- １９９７年２月18日放送
「忘れていたわけじゃない」「もう少し時間が欲しかった」「しかし、宵闇は確実にやってくるのであった」就職を目前に控えた学生のような心境とか（笑）。ここのところ、戦闘と言っても「死ぬか生きるか」みたいな怖さは少なくなってきていましたしね。まあ、前に出てきた「ルーティンなお仕事」になってしまっていたというのもあるかと思いますが。「これからマジだったこと」
今回は艦内時間、バラバラです。いっそ、時系列順に並び替えてやろうかと思いましたが、間に入る記憶麻雀の部分が意味を成さなくなるので放送された通りに。
２０分前
本編。いきなり「２０分前」という表示から始まります。自転車の整備。完全絶縁はミッションに必要そうだからともかくとして、ジャイロって（笑）。２０分以内に仕事を終えないといけないようなので、リアルタイムがその時のようです。
２５分前
幽霊を見たと御祓いしているイズミちゃん。そういうの気にしなそうに見えるのに…わりと真剣にやっているというか恐れているっぽいというか。そういう趣味があるからやっている、というようにも見えないですしねぇ。
８分前
兄さん…アカツキくんのセリフは前回の予告からすると死んだ人のことのようですが。幽霊？
？分前・記憶麻雀
ツモる艦長。記憶力抜群でいかにも麻雀強そうですが。その牌のイラスト（麻雀というよりドンジャラのようだ）から火星を駆ける自転車に…。
何か、このシュールな光景が個人的に押井守氏の作品のような印象を受けますが、押井氏のファンの人に聞かせたら全然違うと怒られそうです。しかし、この大人数麻雀、やってみると意外に面白そうだけど、牌が足らなくなると思うので、ドンジャラを何セットか混ぜてやったら再現出来るかなぁ（笑）。
５４分前
ツキオミの部隊のゲキガンタイプ２体、ボゾンジャンプでナデシコに近づいています。１機目は破壊。２機目もランスで貫かれてます。ディストーションフィールドが破れるようになると、もろいですなぁ。これが、今回の話の発端？。
８０分前
月の裏側の第２艦隊がボゾン砲とロボット部隊と交戦。ナデシコはＹユニットで空間を転移させる相転移砲で相手を駆逐するため合流予定。ですが。エリナさんは相変わらず人工ボゾンジャンプの実験にご執心。アキトくんを誘ってますが、アカツキくんが自主的に参加を希望。これまで、幾多の実験失敗があったのに、何でやりたがりますかねぇ、この人は。自信家というか…。
４５分前
アキトくん実験開始。ジャンプして敵戦艦のボゾン砲を破壊しています。敵側は九十九が月臣を引かせますが。しかし、戦闘中に実験とはなかなか恐いことを。まあ、アキトくんに関しては実績からして実験が成功する確率は非常に高いんですけど。今までの実績だとジャンプの終了地点がちゃんとコントロール出来ていなかったような…。でも、全て見終わった後で考えれば、ある程度コントロールされていたことになるんですが…。
？分前・記憶麻雀
ここは時間と空間が分断されているようだけど、順番は普通に流れているのかな。アキトくんが変わった理由としてヒーロー願望、ガイがお手本というのがあるようですが。それが、アキトくんの心の根底に？。そして、イネスさんのところにアキトくんの牌が揃い。記憶として思うところがある？。
３０分前
異常発生。通路に放電現象。Ｙユニット側の武器管制コンピュータ猿田彦が反乱を起こしたようで。無理矢理くっつけていたから問題があるのか？。高圧電流に重力制御と色々コントロール出来るような機能が独立してあるっていうのは、後付のオプションとしては汎用性があるのでしょうが、使い勝手を考えると集中制御の方が信頼性はありそうですな。
そして、パイロットに幽霊が見えると…。ここで、さっきの御祓いシーンへ続く訳ですな。
３４分前
パイロットというより、ＩＦＳのタトゥー持ちの人がガイとアカツキ兄を目撃…。
１８分前
自転車の続き。威勢のよい暴走アキト。気弱そうでちょっと子供っぽいアカツキ。妙に女らしいイズミ。なんか全員性格変わってます（笑）。アカツキくんは性懲りもなく競争で艦長をかけると言い出してますが。イズミちゃんにメリットがないって（笑）。それを見ているブリッジは呆れていますが。エリナさん焼いてる？それとも艦長にライバル意識が強いだけ？。
１５分前
一方、もう一隊は。女の子らしいリョーコ、ぶりっこのヒカル、銃を乱射している「何か壊れてしまったような」ジュン。わりとヒカルちゃんがいつも通りです。裏表のない性格？。わりとストレートに自分を出しているんでしょうかねぇ。いつも。
後半。木連側から。九十九くん、草壁中将に和平を迫っていますが。その脇でゲキガンガーが流れているのが何とも（笑）。ちなみに「大ピンチ！出撃、ナナコゲキ・ガンガー!!」の回です。そこへ怒鳴り込んでくる月臣。何故止めたと。おまけに、ユキナちゃんまで登場。しかし、シリアスな話をしつつ、電撃にやられるナナコさんをつい見てしまう男たちが悲しいというか情けないというか…。「私マンガ嫌い」と切って捨てるユキナちゃんの方が潔く感じます。…と書いている私が切って捨てられる側なんですが…。
どうにも和平に反対する人が多いようで。ユキナ「地球女にたぶらかされたのよ」ナナコさんのポスターをめくると、ミナトさんの写真が（笑）。九十九くん、自らの幸せのために和平を進める気十分です。というか、ミナトさんのおかげで地球側を信用する気になったのでしょうが。
？分前。記憶麻雀
どうも、プレイヤーの記憶が繋がってこのようなバーチャルなイメージになっているようです。しかも、牌がそのまま記憶の断片のようで。艦長が１０歳までおねしょしていたとかバラされてます（笑）。正直、これは恐すぎです。さらに、人格が分離してしまって、肉体の方は普段抑圧されている人格が出ているとか。みんな、根っこは色々あるのね（笑）。
４３分前
アキトくんのジャンプと敵の撤収の直後ですな。アカツキくん、懲りずにジャンプしようとしています。が、凄い振動。エリナさん側から強制解除を受けます。起こるアカツキ。「あなたにはジャンプは無理よ」スーツが溶けかかってます。よく生きているものです。っていうか、ボゾンジャンプはコクピットがなくなっていたり、人の周りごとなくなっているケースが多かったですが、これは一体どういう描写なんでしょう？。それはともかく。アカツキくん、何をそんなに焦っているのですかねぇ。実は自分に自信がない？。何か確証が欲しい？。
８分前
ハッチの前のアキト組三人。目的地にたどり着いたようですが。その前には三人。ガイ、アカツキ兄、イズミ婚約者。三人の縁者。三人の亡霊。
ブリッジからは見えないようで、？状態です。そしてその頃。ジュンくん、相変わらず狂ってます。ストレスが貯まっていたんですねぇ（笑）。他の二人、脅えていますよ。そしてその頃。イネスさんはミカン食べてます。
ガイに語りかけるアキト。「死者は物を言いません」ルリルリからどこに根拠があるのかよくわからないけど、妙に説得力のある突っ込みが。「邪魔をしているのはあなた達です」。
７分前
脅えるアカツキくん。幽霊恐い？お兄さん恐い？
そして、婚約者に抱きつくイズミちゃん。消えてしまう婚約者。現実ではないのです。そして泣き崩れるイズミちゃん。……このせいで、おかしな性格になってしまったのか、元々おかしな性格だけれど根はこういう人なのか。後者っぽい気がするけど。
記憶。死の恐れ。被害。
３分前
戦いに理由が必要かとガイに説教されてます。死者は語らなくても自分の脳内死者は語りますな。自転車。火星の風景。最初にユリカ嬢が引いた麻雀の牌の…。「理由なんて無かった」自転車の楽しみ。そう言えば、アキトくん、１話から自転車にはこだわってましたね。部屋にもちゃんと置いてあったし、艦を降りる時にも自転車は持っていましたし。
２分前
集結。
１分前
ハッチの中へ。そこには、制御室に巣くうヤドカリが。撃退。とりあえず、コレが原因と。月臣の部隊が置いていったのでしょうか。だとしてたら撤退したとしても作戦的には結構成功したような気がしますが。
作戦開始時刻
ここがリアルタイムですね。相転移砲。空間を転移させるというより空間ごと破壊しているらしいです。見ているクルーもその威力にまずい兵器だと感じています。大量殺戮兵器に…。ここいらへん、原爆を落とされた側の日本らしい感性ですね。原爆を落とした側は戦争早期終結のための兵器としか見てませんから＜大量殺戮兵器。
１５分後
イネスさんの説明。ナノマシンによって脳みそに副脳が形成されているとか。それはそれでちょっと恐いような気がしますが（神経系にダイレクトに、しかも勝手に増殖してくっついているのですから）。それがコミュニケによってネットワーク化。コミュニケって単に腕時計みたいにくっついているのに…ＩＦＳ所持者はコミュニケにダイレクトにリンクできるってことか？。そして、そのネットワークをヤドカリがまとめてハッキングしたために全員の記憶が繋がってしまったと。普段個人のネットワークを分けているセパレーターが破壊されたんでしょうが、逆に言うと他人の記憶をハッキング出来るって事ですから嫌ですねぇ。
一方木連。和平の使者が出発したと聞いて驚く九十九。月臣「お約束という奴だよ、九十九」。草壁と月臣。何を企んでいるのやら…。
実験に協力しないと言うアキトくん。エリナさんは次々に適当なことを言ってやる気を出させようとしていますが。アキトくんは戦いに理由がいることに疑問を持ってます。理由無く戦うのも問題かと思いますが…仕方なくとかいう言葉は楽なんですが…（むろん相手が向かってきたら身を守らねばならないというのは当然の行為ですがね）。
そして、再び記憶麻雀。既にリアルタイムでは解除されていると思うけど…時間が沿ってないのね。で。アイちゃんの牌を拾うアキトくん。他の誰かがアイちゃんの記憶を？。むろん、最初の方の回で、それが誰かはおぼろげながら、みんなわかっているとは思いますが（笑）。お約束という奴です。
そして、草原を走る自転車。二人乗りしているユリカとアキト。艦長が拾ってきたということはアキトくんの…。
というわけで、時間軸を演出意図に沿って切り取って、それとは別の時間軸にある記憶麻雀を使って結合させるという面白い回です。わかりにくいとかいう声もあったようですが、時間がはっきりしていますし、伏線＞現象の繋がりが面白いように演出されているので、混乱することはないかと思うのですが。むしろ、１直線に流さなかったことによって単調さをなくしているとか。良い方が色々浮かびます。
内容的には過去の清算とキャラクターの整理。根っこの所の掘り出し。ラストスパートに向けて、必要なところを再確認する、というのが必要だったのでしょうか。
そして、木連の和平工作。新たなるステージへの流れも入って、島編は終わりといった感じです。ナデシコは本筋へと戻って行きます…。
(2003.10.30)
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- １９９７年２月25日放送
さて。ターニングポイントとなる２２話です。前回登場したユキナちゃんという久々の女性レギュラーキャラの登場により話が進むというあたり、ナデシコらしいと言うか…。
「過去って名前の亡霊さんに支えられているみんなの今」「亡霊さんが成仏したら未来への糧って奴になるのかしらね」……深いなぁ。正直、葬式には何度も出席しましたが、そこまで強烈な物はありませんでしたからよくわかりません。ただ、この言葉を数年後のルリルリ本人に聞いてみたい気はしますが。最も、実際にそういう機会があったとしても、そんなことは出来るほど人間腐っていないと思いますが。
「いつまで逃げたって同じよ」いつものようにアキトくんにからむエリナ嬢。弁護する艦長。しかし…他人の欲望を満たすための人体実験から逃げるのは生物としてのレベルまで落としても当然の行為だと思いますが（笑）。その犠牲で戦争が無くなって世界中の人が幸せになれるくらい素晴らしいことならともかく、エリナさんがネルガルのトップに上り詰めて、ネルガルが発展するってだけの話じゃあねぇ（笑）。
で、何をしているかと言えば小形シャトルの回収。中のユキナちゃんは気を失っています。
ベッドの上。目の前には艦長とイネスさん…ユキナちゃん、わざとらしい記憶喪失のふりをしています（笑）。イネスさんは気付いているようですが？。女の子の特権で荷物を取り返すユキナちゃん。「もしかしてバレバレ？」カメラ目線ギャグが冴えます（笑）。
荷物も、おそらくチェック済みなんでしょうがねぇ。艦長はともかく、イネスさんがそんなに甘いとは思いませんし。
一方木連側では。当然のように九十九くんが心配しています。事の首謀者の一人、月臣くんの方は人の妹だからか気楽なものですが…。
艦内をこそこそと進むユキナちゃん。本人はソレっぽいつもりのようでも、あんまり忍んでいるようには見えませんが（笑）。「絶対見つけてメッタメタのギタギタに」単なるお兄ちゃんっ子ですな（笑）。まあ、あの好青年を絵に描いたような九十九くんが猫っかわいがりをしているようではありますし（笑）。
アキトくんを部屋で待ち伏せするエリナ嬢。この人も相当しつこいですね（笑）。最も、たった一人の検体ですから、逃がす訳にはいかないのでしょうが。アキトくん、完全無視の体勢。失礼な奴には失礼で。着替えのために服を脱ぎ始めますが、挑発していたエリナ嬢、赤くなって怒り出します。なら、素直にダメって言えばいいのに（笑）。「同じね、ＣＣを開発したあなたの父親と」両親の死についてこだわっていたアキトくんにネルガルと父親の接点をばらすとは、エリナさんもうかつ。おまけに、問いつめるアキトくんに「裸で迫らないでよ、朴念仁」で張り手とは。挑発しておいて（笑）。今一歩、悪になりきれない人ですなぁ。
冷蔵庫を漁るユキナちゃん。大昔のアメリカアニメのようだ（笑）。で、食堂で整備班の人たちの噂話を盗み聞き。記憶喪失のユキナちゃんを心配してるし。「戦争は嫌だな」とか言っているし。結局、戦っている時を別にすれば、人間個人の考えはそれほど陰鬱なものでないはずです。…最近の暗いニュースの数々を見ているとそんな気も薄れてきますが。ユキナちゃんもにっくき敵がコレでは心苦しくなりますが。芝居だと言い聞かせて自分を奮い立たせてます（笑）。
この辺、月戦あたりのクルーの葛藤にも似てますね。
今度はフロに潜入。無防備になる場所は暗殺の場として最適です。もっとも、自分も逃げ場がないという欠点もありますが。ところが、ミナトさん、シャンプーを取りに戻ってしまって。風呂に入った時には…スクール水着のユキナちゃんが湯の中から登場したものの、のぼせてダウン（笑）。…しかし、敵艦への侵入に際して水着を持ってくるとは…まさか公衆浴場に水着ではいるタイプ…とは考えにくいですから（笑）、こういう事態を想定していたんでしょうか？。
寝ているユキナちゃん。ミナトさんの膝枕です。ある意味、一番膝枕が似合う女性かも＜ナデシコクルーの中で。「お兄ちゃんをたぶらかして」とくってかかりますが。ミナトさんにしてみれば「深い関係」にはほど遠く。しかし、その言葉だけでもユキナちゃんには刺激的だったようで。頭に血が上って倒れてます（笑）。
しかし、木連の教育文化。ゲキ・ガンガーをのぞけば、見習うべき事は多いのかも。戦前の日本文化に由来した描写が多いですが、史実を紐解くと、見た目の正しさの裏にある物は意外と腹黒い部分があってねぇ。
「お兄ちゃんのいいところ」という質問に「あなたみたいな妹さんがいるところかな」というのはちょっと聞いた感じではあざといような気もしますが。よく考えると、結構いいセリフですね。わりと、兄弟の下の子は上を見ていますから。似るか、反面教師になるかはともかくとして（笑）。で、ユキナちゃんもミナトさんの優しさに籠絡されてます（笑）。おまけに、持ち物が爆弾であることもやっぱりバレてるし（笑）。
「あのっ…お兄ちゃんと、しませんか？」ミナトさんもそうですが、ユキナちゃんが純粋であるが故にこのセリフの真意がわからずに混乱しますわなぁ（笑）。
さて後半。ミスマル提督からです。「ユリカ…」相変わらずな（笑）。
さて、ナデシコブリッジでは。バッタのような小型のリアルタイム通信機械で木連側と通信しようという試み。照れてないで、話なら話とはっきり言わないと＞ユキナちゃん。で、上手く動かないんですが…出てきたルリルリ、ゲシゲシと蹴り入れてます（笑）。容赦ないです（笑）。思兼が上手く動かないからってこんなことしたら後で何されるかわからないような気がしますが。ともかく、コレで動くから（笑）。九十九「しばらくでした」ミナト「はい」九十九「お元気そうで」ミナト「はい」…まるっきりラブコメです（笑）。こないだまでゴートさんとお昼のメロドラマをやっていた人とは思えません（笑）。それにしても、九十九さんの洒落のセンスって…っていう感じですが、その一生懸命さが逆に女性の共感を産むのでしょうか？。もっともイズミちゃんの「まだまだね」というセリフに、ギャグのセンスというのは個人の感覚では推し測れない物なのかという疑問も感じてしまいますが。ミナトさんは泣いちゃうし。
艦長。ユキナちゃんを保護することに決定。ネルガルを説得し、和平を目指すと。ところが、既に地球艦隊に取り囲まれてるし。ミスマル提督「大きくなったな…胸が…じゃないよ」台無しです（笑）。で、提督、ユキナちゃんを保護すると言ってきています。
ミナトさんを愚弄する月臣くん。なんというか、こういう意味不明の批判自体が若いというか（笑）。で、九十九くんに殴られてます。
理由を言わない提督。艦長、無視してグラビティブラストを撃ち込もうとしますが。システムダウン。アカツキくんがマスターキーを抜いてます。驚く艦長とアキトくんに「君ともう一人、ネルガルの会長以外には」得意げに語るアカツキくんですが…他のクルーは「やっぱり」って感じで全然驚いてないし（笑）。
「ナデシコはたった今から僕の指揮下に入る」つまり、クルーの進みたがる道とは別の方向に行くという宣言ですな。そして穏便に済ませるためにか、提督自身が説得に来ると。
「心配するな。父親として悪いようにはせん」と言いつつ小声で「木星の娘はどうした」と。艦長、提督、会長の３巨頭による駆け引きの始まりです。
ユキナちゃんはアキトくんが匿ってます。が、引き渡し要求のエリナさん。今回はとことん安っぽい悪役です。助けると甘言を弄していますが、日頃の行いが悪いので信用して貰えません（笑）。
一方、装備を外すプロスさん。会談はプロスさん、艦長、アカツキくん、ゴートさん、提督、といったメンツ。提督はアカツキに、父に似てきたと…過去の因縁をいきなり語り始めます。物語序盤では、しらを切り通したことについて。どういう心情の変化でしょう？。ともかく。火星からの軍の撤退。クーデターと鎮圧。アキトくんの両親の死。艦長が訴えたからかもしれませんが、提督も疑問を再確認していたようです。そして。プロスさんが胸のルリルリピンズに触ると。話し始めます。クルーへの放送をしながら（笑）。過去、火星司令部で司令代行をしていたということで。実はネルガルでもトップクラスの人だったんですねぇ。で、この件について不審に思って会社のコンピュータにアクセス。ネルガルがテンカワ夫妻の暗殺を企んだと。火星のボゾンジャンプテクノロジーの独占のため、発表しようとするテンカワ夫妻を押さえるために…。ここで、ようやくテンカワアキトの持っていたＣＣとそれにまつわる一連の事件の真相が明かされる訳ですが。なんとも、大企業というのはやることが汚いもので。
そして、今回も。和平はダメ。ユキナ嬢は殺すというのです。戦争の真実を知らせないためにも…。
「というわけです。みなさん」プロスさんの突然のセリフに場が驚いた瞬間。ゴートさん、銃を撃ち、提督はアカツキくんを倒します。
止めるエリナさん。行くアキトくんたち。もはやネルガルの言うことを聞く義理は少しもないでしょう。止めようとして泣き崩れるエリナ嬢。…本当に恋愛感情あったのかねぇ、この人は。どういう過程でそこに落ちていったのかはよくわからないですが。あまりにもビジネスとしての顔を強く打ち出しすぎた人としての悲劇があるのでしょうか？。幸せとは一体…。まあ、それはともかく。
パイロット３人組も反乱に加わり。ユキナちゃんを連れ出すアキトくん。なんか、いい兄ちゃんになってます。アイちゃんのときもそうですが、基本的に熱血で優しいんですよね。若さ故の暴走が多くても。
そして。ユリカ「みんな、逃げて〜〜〜〜」。題字がバンッと入って「つづく」。
予告。画面はナデシコ。音声はラーメンの解説。テロップはナチュラルライチ。一体、何を想像しろと（笑）。でも、コレ、全て次回の予告として正しいんだから困ったものです（笑）。
というわけで２２話ですが。完全な急展開です。前半の擬音少女ユキナちゃんのお笑い活劇から一気に緊迫したラストへ駆け抜ける作劇は非常に面白いと思います。どちらも１話まるまる使えるくらいのエピソードですから、スピード感は結構なもので。特に、プロスさんの告白からラストまではあっという間で、それこそ、あっけにとられるクルーや警備の人たちと同様の視点なのかもしれません。
もっとも、ナデシコというストーリー自体がここからジェットコースターのようにラストに向けて突っ走っていくのですが。
また、ここでプロスさんが正体を現し始めます。ゴートさんがネルガルを裏切る形になっているのも少しばかり意外ですが、その体力勝負な活躍はいつも通り。しかしながら、プロスさんの方はキレものであるらしい片鱗は見せても、具体的には何をするでもなく、会社のために経費節減に飛び回っている「商人」的な部分ばかりでしたしねぇ。もっとも、コンピュータ関係とか、やばいことに首を突っ込んでいる伏線はありましたが。まあ、それでも、まだまだですが。
しかし、アカツキくんもなんでパイロットなんかやっていたんだか。という気もしますが。兄の死による突然の重責。遊び足りない若者として、やっぱりナデシコのデタラメな環境は居心地良かったんでしょうなぁ。最初は遊び半分で着任したんでしょうが。ギリギリまで身分を隠していたのは単なる仕事上の都合だけではないのでしょう。最も、本人は自覚ないでしょうが。
(2003.11.01)
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- １９９７年３月４日放送
脚本：佐藤竜雄。絵コンテ：桜井弘明。演出：はばらのぶよし。ナデシコを代表する演出系の３人が組んで作られた、いわばナデシコ最大のクライマックスです。ある意味、ここでナデシコの集団ものとしてのキャラクター展開は頂点を迎え、この後はストーリーの収束と謎解きや整理に向かっていきます。そういう意味では最も重要な回だと思いますし。本放送で見ていた時に最も面白かった回でもあります。「このためにナデシコをも見ていた」そう断言しても良いと、当時思いました。ホントに。
「葬り去られる善意」前回前半のクルーによる盛り上がりと、会長アカツキの登場による巨大企業の策略とそこに雇われるサラリーマン達の宿命。そして、現実の会社と同じく、待っている運命は。「私たちは船を捨てた」。
ネルガル平塚ドック。現在のナデシコの状況について説明するエリナ嬢。どうやらアカツキくんは会長としてデスクワークに専従する日々に逆戻りのようです。そして抜けた多くのクルーの補充は人格良で質が落ちると。大企業や軍隊のコマとしてはその方が有利なのかもしれません。最も、短観で動く中小企業のような独立愚連艦に対しては難しいところですが。
そして、彼らを睨むゴートさん。会長のＳＰなんでしょうが…。前回反乱に荷担した彼を側に置くとは、優しい会長で。
ラーメン屋で大勢の注文を一辺で覚えるユリカ嬢。連合宇宙軍の士官学校戦略シミュレーション主席はこういった能力に支えられる部分も大きいのでしょう。これが努力といった感じでなく、素なのがすごいです。そして。厨房にいるジュンくんとアキトくん。アキトくんは相変わらずサイゾウさんに怒られてますが（笑）。というわけでユキカゼ食堂です。逃げたアキトくん達と普通に退艦したと思われる艦長達が一緒ということは、ネルガルからはお目こぼしを受けているって事で。
洗濯物を干すミナトさん。縁側で畳んでいるユキナちゃん。なんともまあ、日本的な一コマです。ユキナ「あんたならいいかもね。地球人にもいい人はいる」どうにも家庭的な面を見せつけてくれるミナトさんに完全に籠絡されてます（笑）。ミナト「悪い人も多いけど」
再びネルガル。アカツキくんに事後報告です。アカツキ「ゴートホーリー、君の処遇についても」やっぱ、懲罰はあるよね（笑）。で、降りたのが１１５名。４名行方不明。パイロット３人組はともかく、ルリルリまで？。
で、同じ画面を開いているプロスさん。資料室に左遷されたようですが。手伝いのホウメイガールズのおかげで、けたたましいというか（笑）。「左遷というにはピチピチしすぎてますな」逆に仕事しにくそう（笑）。しかし、資料室勤務というのは一度やってみたい職業ですね。憧れ（笑）。
で、ライチのアニメ放送を見ているユキナちゃんとミナトさん。メグちゃんが声を当てていると言うところから、アフレコ現場へ。声かけてきた監督が佐藤監督ですが（笑）。で、プロデューサに。お茶を飲みながら。番組を降りたいと。戦いのアニメが嫌と。止めるプロデューサ。「エリナだってそう言うと思うな」エリナ嬢やって来ます。なんと、エリナ嬢と知り合い…どころか岩崎マリという名刺にはネルガルのマークが。逃げてきたネルガルが自分をコントロールしている。耐えられなくなったメグちゃん、逃げ出します。いつものごとく、声を荒げて恫喝するエリナ嬢（笑）。誰も聞いてくれませんが（笑）。
カットバックする過去。見ている黒眼鏡。そして…声をかけてきた少年ロボットが花火を発射。その隙に声をかけてきたのはセイヤさんです。
ネルガルの監視がついていると話すセイヤさん。大人のあきらめを説いています。寂しいですが、現実です。たき火を囲む三人娘。ルリルリは別のようですね。コミュニケも思兼が沈黙しているようで。「こいつを受け付けないって事は」セイヤ「ナデシコはナデシコじゃ無くなっちまったな」戦艦という狭い社会。軍のように大きな人事異動がないから、それすなわち巨大なコミューン。そしてそれが崩壊した今はお尋ね者。監視がなくなるのも「秘密が秘密でなくなった時かな」。現実に、太平洋戦争の事実が未だに関係者の手によって歪められていることからすれば、秘密が秘密でなくなった時というのは関係者も資料も散逸した時なのかもしれません。秘密が秘密でなくなるなんていうことは本当にあるのでしょうか？。
チャーハンをサイゾウさんに食べて貰うアキトくん。「十分だよ。合格」アキトくんはハードルを一つクリア。ナデシコのストーリーの中で、何かを成し遂げた人というのは初めてでは？。他の人は既にその域に達しているか（もともと人格よりも質の人たちですし）、更なる高見を目指して挫折しているかですし。「逃げるのは辞めたようだな」「いい師匠についたようだな」アキトくん、めずらしく努力が認められてます。コックとしての努力は裏話的にしか描写されていなかっただけに、努力の跡が見受けられます。
で、そのホウメイさんは厨房で。イネスさんとおしゃべり。降りなかった理由の話で。イネス「子猫の世話もあるから？」猫？。
思兼のマークが色づいて。
メグミさんの部屋のコミュニケが点灯。「ルリです。ニャオ」
前半のネコスーツ・ルリルリのショック覚めやらぬ後半。コミュニケにネコルリの通信が入ります。ネルガルが書き換えたコンピュータの人格を思兼に演技させるのに苦労したということで。まあ、前回同じ事をした際の経験が役に立ったのでしょう。過去話を上手く伏線として使っているなぁ。クルーからは心配する声も挙がっていますが。「私ってしぶといんです」
セイヤ「ルリルリが笑っている」この笑顔、視聴者には口元がちょこっと見えるだけなんですけど。でも、かわいいというか。しかし、このセリフの感慨は「クララが立った…」というアルプスの少女ハイジの名セリフに匹敵すると思うのですがどうでしょう。
「この船は私たちの船です」前のセイヤさんのセリフからすれば、コミュニケが動く＝ナデシコの復活ですな。ナデシコを降りたクルーも、自分の生活の中で。それでも大きくて邪魔で時計くらいしか役に立たないコミュニケを付けていた。それこそが、ナデシコの絆なんでしょうが。もっとも、それが何年も経った後だと話は別なんでしょうがね。
「そろそろ仕込みの量を増やそうかねぇ」ナデシコを守ってきたホウメイさん。沈黙が破られたことを感じます。というか、この状態を打破出来るパワーを信じているというか。
ホウメイガールズもエプロンに着替えてます。
パイロット３人娘はエステの整備中。
ユキカゼ食堂ではサイゾウさんがアキトくんたちに別れを告げています。突然女４人もつれて戻ってきたと…艦長、ミナトさん、ユキナちゃん、ジュンくん（笑）。甲斐性なしのアルバイトが、小さな店に５人で押しかけてくりゃあねぇ（笑）。しかし、おかげでアキトくんは最初の師匠に認めて貰うことが出来たんですが。１話に比べると良い別れであり、サイゾウさんも寂しそうです。そして。エステを載せたトレーラーで出発するアキトたち。
…エステは脱出の際かっぱらったままでしょうが、トレーラーはどうしたのか（笑）。艦長かジュンくんが自分のつてで何とかしたのか。そもそもなんで佐世保にいるのか？。ナデシコの近くでしかエステは活動出来ませんから。この上にナデシコが居たのか、他からトレーラーを入手して運んできたのか。
スーツを見るメグミさん…。
ラーメン屋台を引きずって敷地に入る手前で引っかかる厨房着姿のプロスさん（笑）。そりゃあ、企業の敷地に夜泣きラーメンは入れないでしょう（笑）。「やぁ。まいったなぁ」トニー谷じゃなくて若大将ですか？
思兼に指令を出すルリルリ。
黒服全てを倒してしまった後のプロスさん。さすが、元火星司令代行は伊達じゃないようですが、それ以前に特殊部隊とか裏工作とかいう言葉が浮かぶんですけど、この人（笑）。エステの操縦とかの特殊技能はともかくとして各種技能の平均点で比べれば実はナデシコ最強？。もちろん、後ろにはホウメイガールズを従えてます。
ネルガルのコンピュータ関連を制圧するルリルリ。
出撃する三人娘。
一方アカツキくんは。マスターキーがないから飛べないと余裕です。飛べない戦艦では籠城戦にしかなりませんから。
ブリッジに入るプロスさん。懐に手を突っ込むゴートさん。緊張が走る一瞬。
テンカワ・トレーラー上空に三人娘合流。周りはヘリだらけ。
アカツキ。「マスターキー持って逃げちゃった」ゴートさんを甘く見すぎたようです。嫌、組織の長として部下を信頼しすぎたというか。
バッテリをリョーコ機に託して迎え待ちになるヒカル、イズミ機。やはり、エステバリスはナデシコの浮き砲台という目的以上には働けませんね。場所的には平塚に入ってます。
ブリッジに持ち込まれた屋台でラーメンを食べているゴートさんとルリルリ。ゴート「おやじ、ゆで卵」ルリルリ「おやじ、おかわり」（笑）。いますよね。体小さいのによく食べる人。自分はあまり食べない人なので、よく食べる人は見ていて気持ちがいいですが真似出来ません（笑）。あと、食べない人間は料理を作る人に嫌われるので食べられる人が羨ましいというか…話題が逸れました。それより、ルリルリの雰囲気重視のハードボイルドが。仕事が終わった後のバーで一杯、といったものに通じるのでしょう。
ちなみに、ルリルリのプロフィールでは好きな物がジャンクフードで、嫌いな物がご飯や麺類などの主食物でしたが。ホウメイさんのおかげが、ナデシコ食堂ではチキンライスやラーメンが好物になっていて。良いこと良いこと。
リョーコ機に乗る艦長。「私、ラーメン屋でもいいと思ったんです」アキトくんと二人で経営するラーメン屋の妄想をしばし語り続けるユリカ嬢。ちなみに、二人の結婚は既に既定路線のような感じです（笑）。でも。「アキトにとっても私にとっても大事な船だから」
トレーラーはジュンくんが運転でミナトさんとユキナちゃんが。わりと、ミナトさんの方が運転上手そうというか、似合っているんだけど（長距離の運転手）。「君たちの安全は保証する」ヘリからの投降要請。しかし、要請しながら撃っていたのでは、誰も信用しないよ（笑）。
リョーコ機平塚ドック到着。ユリカ「ただいまー」ゴート「へい、お待ち」キーを取り出します。
そしてナデシコ始動。あれだけ戦争を嫌っていて、仕事にも復帰出来ていたメグちゃんが合流して一同ビックリですが、何も言わずに受け入れています。
「これよりみんなを迎えに行きます。まずは、アキトのところへ」
エステバリスに４人連れ。最終工程で動きの取りにくいトレーラーは廃棄したようですが。さすがに、無理がありますな（笑）。バッテリも切れそう…ですが、回復。上空にナデシコです。艦長「アキト、お待たせ」
出かける支度をしているセイヤさん。工具の包み方が職人していて格好いいです。技術者として憧れる渋さです。で、奥さんと子供に「俺には友が待っている」とか格好つけてます。１話の出発の時には別れたがっている風で最悪でしたが。「今度はいつ帰ってくるの」との問いに「明日かもしれないし、１０年後かもしれない。しかし、きっと帰ってくる」と渋く決めてます。奥さんが、顔を赤くするくらいに（笑）。この辺のセリフの流れ、芝居と相まって密度がメチャクチャ濃いです。「いってらっしゃい」
平塚ドック、ナデシコ格納庫。プロスさん、ラーメン屋台から連合宇宙軍の防衛システムへ中止コードを入力しています。防衛システム沈黙。楽々と地球脱出です。
乗組員１０３人。ユキナ「お兄ちゃん、待っていて。愛しいユキナが今、行きます」この娘は…（笑）。ゴート「当てはあるのか？」ユリカ「木星の方向に行けば会えます」
一方、アカツキくんは。カキツバタで出るようです。エリナ嬢と…イネスさんと。
予告はゲキ・ガンガー祭り。ゲキ祭。……いったいどうしろと。
というわけで、２３話ですが。さすがにメインの演出家が上から３人集まっただけあって、ともかくフィルム密度が濃いです。しかも、ギャグで中抜きをしてスピード感を出しているのではなく、芝居の密度を上げて驚異的に濃い内容にしている。見終わった後、３０分番組を見たというより映画を見たような気分になるというものです。特に後半の立ち回りは、前回見せたものと似ていますが、尺も長く、各キャラクターの見せ場がふんだんに盛り込まれています。
こういうエキスパートがそれぞれの力を出し切って難関を乗り越えるという…ナデシコの設定の中核でありながら、ギャグ的な部分に押されてなかなか見られなかったものが一気に噴出しているようで見ていて爽快です。
むろん、完全なシリアスにもかかわらず、プロスさんのラーメン屋台のように「真剣に遊びを取り入れているキャラクターたち」というものがあって、笑わせてくれます。キャラクターもそれを描くスタッフも真剣につくって初めて生きてくる、こういうコメディシーンは大好きです。ギャグのような「笑わそう」というオーラが出ている物はわりと冷めてみてしまうので。
ともかく。ルリルリを中核として再度集うナデシコのクルー。これが２２話かけて描いてきた話の総まとめなのでしょう。ある意味、ここで打ち切りになっていたら伝説になったかもしれません（笑）。もっとも、その場合、映画で会川脚本そのままのナデシコエンドが語られたのでしょうが。それだと、「あの」劇場版伝説が出来ないからなぁ（笑）。
また、こういう話が見たいです。佐藤竜雄＋桜井弘明のいいとこ取りな作品が。
(2003.11.01)
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- １９９７年３月11日放送
「ここが自分たちの居場所だって気付いて」「そんなの考えなくてもわかって」というルリルリの強い思いから始まる２４話。でも、大人はいつか祭りが終わることを知っていると思う。戦艦という場所が永遠の物でないことも…。最初に見た時には勢いで納得した「バカバッカ」の暖かさ。今となっては逆に空しい気も…。
「良かったのかな、これで」ノリで出てきたものの、みんなをまとめる立場ですから。悩む艦長。和平と言っても。殺された人のこととかも頭をよぎり。ハルカ「私は自分を信じるわ。自分と、あの人を」ミナトさん、それは和平とかいうより単なる愛です（笑）。
月臣くん、今日も九十九くんと揉めてます。九十九の荷物に指輪が入っているのを指摘し、ナナコさんを持ち出しますが。「所詮は二次元の女性だ」九十九くん、言ってはならないことを（笑）。月臣くんは全人格が否定されたかのようなショックを（笑）。彼も彼女がいればねぇ。というか、せっかく親友の妹という好ポジションのユキナちゃんが居たのにナナコさん一筋とは、周りの環境やノリのせいもあったのだろうけど、やっぱりおかしいですよ（笑）。
ゲキカガンタイプでナデシコへ来る九十九。ミナトさんと顔を合わせて赤くなってます（笑）。むろん、無視されてるユキナちゃんが怒ってますが（笑）。こっちの兄妹の仲も相当なものです。更に、アキトくんとも握手。今度は名前を聞けます。ちゃんと過去の話は拾ってます。
で。土産がゲキ・ガンガーの編集ビデオ。一応儀礼ということでメインクルーがみんな集まっていますが。ルリルリはブリッジで…ユキナ「ばかばっか」セリフ取られてます（笑）。唖然とするルリルリ（笑）。ユキナ「何よ」ルリ「別に」。
で、ガイに見せられた時には文句しか言ってなかったクルーが。艦長は木連と正義を結びつけてるし、ジュンくんは涙を流してるし…メグちゃん、プロスさん、ゴートさん、みんな感化されてます。
…仕事が忙しかったり心が弱っている時に見る作品ってハマりやすいんだよねー（笑）アキトくんもあまりのみんなの豹変ぶりに呆れてますが。
で。艦長の号令一過。いきなり艦内で同人誌即売会。三人娘のコスプレ撮影会。艦長＆アキト司会のマラソン上映会。ルリルリでなくとも溜息つきたくなりますな（笑）。濃い人たちが集まっているところは危険です（笑）。
合間に休んでいる艦長＆アキトくん。最終回の話題になりますが。アキト「実は知らないんだ」終わってしまう、変わってしまうような寂しさ。ガイの死によって場をつなぎ止めておく物になってしまっていたゲキ・ガンガー。ひとりで見ていたこともあって、余計に見られなかったんでしょうなぁ。でも、最終回を見ないと作品としては始まらないような気もしますが。ある意味、逃げ？。
超合金のパンチを探す二人。それほど小さいものでなくとも、何故かなくなると見つからないものです（笑）。そこへ入ってくるミナト＆九十九。机の下の二人に気付きません。で、いきなり抱きつくミナト。キスのコーチなど（笑）。半分玩具です（笑）。で「どんな気分？」と聞いたら、今度は九十九の方からキスされて…。ミナトさんとしては理想の展開でしょう（笑）。
こそこそと出て行くアキト＆ユリカの純情組。
廊下を歩く二人。当てられてます。艦長、キスを迫ります。「けじめみたいな気持ち、私にくれないかな」いい雰囲気ですが。何故か見ているユキナちゃん（笑）。しかも擬音付き。困った娘です（笑）。主役は最後までおあずけか？。そこへやってくる九十九。やけに爽やかな笑顔が、理由を知っている二人には（笑）。
ルリ「後半に続きます」今回出番少ないからねぇ。
ところで、今回脚本が川崎ヒロユキ氏と會川昇氏の連名になっていますが、これ、前半後半で書き分けているのか？と思うほどカラーが変わります。で、後半は会川テイスト炸裂。
草壁＆月臣の悪者コンビ。火星の都市発見の報。木連は目的を果たしつつあります。そして和平に関しては。「君には特別任務を与える」
九十九「ゲキ祭も明日で終わりか」ゲキ・ガンガー残り１話。アキトくん、和平をゲキ・ガンガーの違う形とか。あくまでそっちに持っていっています。九十九くんはそう言う思想の環境で育っているからともかくとしてねぇ。そして今後について。九十九「家庭を持つよ」と。その言葉に、ユリカ嬢とのキスが浮かぶアキトくん。覚悟が足らないようですが。
そして、最終回の上映…という時に木連の艦隊接近。草壁中将、１時間後に和平の会談ということで。月臣くん、顔が険しいです。
ナデシコ側は艦長、ミナト、ゴート、がランチで。エステは護衛として。ゴートさん、ミナトさんと喧嘩してますが。どっちが引きずっているのやら…。
ユキナちゃんはジュンくんやプロスさんと共に居残りです。
しかし、ナデシコは単なる地球の裏切り者の戦艦１隻であり、和平なんて言える義理ではないような気がするのですがねぇ。出来るのは亡命申請くらいで。その辺の甘さというか考えなしな行動を何で誰も止めないのか…ゲキ・ガンガーに当てられている？。単なる一科学者によって地球が救われるストーリーに。
会談は日本間で。一見お見合いの席のように見えますが。ユリカ「何ですかこれは」。涼しい顔で解説する草壁。ゴート「これはそのような平和的な文章ではない」相手の出してきた和平案は一方的な降伏勧告。ほとんど第二次世界大戦の日本に対する無条件降伏の文章です。和平の積極的推進派である九十九はゲキ・ガンガーを通して草壁を説得しようと。九十九「正義は一つの筈です」。ところが、現れた月臣に胸を打ち抜かれて…。
周りのふすまが開いて銃を持った男達が乱入。ゴートさん、足が痺れたと倒れてます。
草壁「悪の帝国は正義によって滅ぼされる」ゲキ・ガンガーによると。「悪の帝国は滅んで当然」となるようで。「正義は常にたった一つ。我々の側にある」確かに、アニメの描いている内容は大筋ではその通りですな！。
出来れば、アクアマリンの話とか、敵と味方が和解する話が全て木連では欠番になっているという裏設定をもっとはっきりとした形で表に出しておいてくれれば良かったと思いますが。
ミナト「そんなことより白鳥さんを助けて」戦争の前に人一人の命は軽いものです。
しかし、最も重い叫びに相手がひるんだ隙に。ゴートさん、足払いで銃を奪い、逃走へ。
ナデシコ側も的に迎撃されていますが、事態が掴めない上に艦長以下主要クルーが敵艦にいるのでは攻撃出来ません。苦しい戦い。そこへグラビティブラスト。躊躇なく敵艦を叩ける存在、カキツバタが助っ人に。アカツキ「だから言わんこっちゃない」
艦内をストレッチャーで運ばれる九十九。イネスさんが付いてます。
そして艦に戻った艦長の指示は。「相転移砲」自ら禁じ手にした最終手段です。ルリ「いいんですか？本当にいいんですか？」あの場にいなかったおかげで、冷静さは確かです。
九十九の側で。泣いているユキナちゃん。血だらけの指輪をミナトさんに渡す九十九くん。「最終回、一緒にみれなくて残念だ」アキトにはメッセージを残す。「わすれるな、正義を信じる心」。そして、いい笑顔で死んでいきました。二人の女性の悲鳴を残して。
残された人たちに重い物を背負わせて。
草壁、九十九は地球側のスパイに殺されたと。最初から出来ていたストーリーです。
ゲキガングッズを捨てるアキト。「好きだったから。都合のいいところしか見てなかったんだ」
部屋の外でうつむく艦長。アキトが心配でもどうすることも出来ない。
白い布がかかった九十九。そこにたたずむミナトとユキナ。引いたカメラに入る超合金…。
予告では火星への進行を告げています。
前回からのノリを受けて盛り上がり続けるナデシコ。結局、単艦で地球を裏切った事に対する不安がクルー達を都合のいい狂気に導いていたとしか。おまけに、やって来た九十九は人を疑うことを知らないかのような好青年。到底、戦争というなの政治的駆け引きの舞台をかき回すには役者不足でした。あのプロスペクターさんまでが成功を信じていたとすれば、明らかな油断としか。それは祭りが終わった後で全ての人が気付いた罠。誰もが真実から目を逸らしていたことへの反省。
しかし、九十九の死というのは代償としてはあまりにも大きい。残された恋人と妹はもちろんとして。アキトくんに対してオタク仲間として道を示せそうな大人。だったにもかかわらず、ほんの数日の邂逅で別れ。その正義の信念は、よりどころを失っていた艦長にも大きな影響を与えていたというにもかかわらず。
何故彼が死なねばならなかったのか。「坊やだからさ」というのは無しにして（笑）。実際の所、瀕死の重傷にして最終回までほったらかしておいて、公式には死亡として敵の目を欺くとかいうストーリーでも別に問題なかったとは思いますが。
この辺、ストーリーエディターの嗜好としか思えないのですが。例えばガイの死は大元になった山口氏の原案の時代から有るもので、誰がどうこうと言うものではありません。が、前にも書きましたが、戦争の中でのあっけない死というシチュエーションは、何故かドラマとして使える戦闘後の味方による意味のない殺害というものになっており。その後のムネタケ提督の自爆や今回など、すべからく戦闘行為による死ではなく、敵以外の手によるあっけない死として描かれているのです。これは戦争でなくても普通にドラマで使われる手法ですが。何故かそんな感じなんですよね。それゆえ、ここへ来ての九十九の死というのはドラマの盛り立て役でしかないのか？という邪心を持って見てしまうのです。
確かに、２３話の盛り上がりから、最終話までの残り３話、主人公達を葛藤を抱かせるドラマへ引きずり戻すためには大きなショックが必要であり、人を殺すのが最も効果的なのかもしれませんが。ファンに惜しまれつつも亡くなったガイと被る容姿をしている似たような嗜好を持つ、より大人の好青年が似たようなシチュエーションで殺されるのを目の当たりにしては、まともに評価する気は起こらなくなる物です。
もっとも、そういった作劇を好む脚本家先生やファンの方々に対してどうこう言う気はありません（当時のパソコン通信での脚本家擁護／嫌悪の全く内容の噛み合わない一方的な論争を見ていたので馬鹿馬鹿しくて。ドラマツルギーという点に関してはありきたりですが効果的です。実際、多くの人がこの点に関して感情的になったのですから）。これは単なる私個人の感想です。こういったシチュエーションが嫌いな人間もいる、ということです。
ただ、素人の私の考えているほど、スタッフの考えが浅い訳ではないのですよね。終了後の監督のコメントや監督と會川氏の対談などを読んでいると、いろいろな方向性、色々なストーリーの流れがあったことがわかります。計算された中で視聴者は踊らされている、というのは事実です。まあ、こういう方向に解釈する人間もいるということで、見て頂きたい所です。
実際には、オタク仲間の月臣くんに対して、ナナコさんはしょせん２次元の女だ、などと暴言を吐いた九十九くんが、一人だけいい目を見やがってという恨みを一身に受けて殺された、というのが真実のような気がしますが（笑）。草壁中将は背中を押したに過ぎないというか。口は災いの元です。
２３話で「ナデシコ」という艦に対してのまとまりは出来ましたが、その方向性に関してはドラマを求めるべく瓦解します。戦争に対して、何ら進展しないまま残り２話なのですから、強烈な何かがなければストーリーは…。
(2003.11.02)
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