２巻目です。描き下ろしで、しかも１巻と同時発売というなかなか豪快な本です。企画するＮＨＫ出版も凄いですけど、実際にこなしてしまった長谷川先生も凄いと思います（笑）。
カバー
やはり、新選組の羽織を持ったイサミちゃんです。今回は非常に動きのある絵になっています。バックは集中線ですし。裏表紙側はアニメの一コマでピアニストのみどりさん。今回の本の内容にあわせてですね。
帯は１巻と同じ物ですが、色がオレンジ色になっています。
本体の表紙はアニメの三人組とケイちゃん裏表紙は１巻と同じく漫画版のからくり人形です（絵は違いますが）。
口絵
４頁分のカラー口絵が付いてます。龍の剣とイサミちゃん、アニメのコマでイサミちゃんの表情集とトシ・ソウシ、そして新選組の決めポーズ、ですか。番宣用素材もアニメの素材も使おうという贅沢な感じですが。なにより、イサミちゃんの魅力を前面に出しているあたりに編集さんの意図を感じます（笑）。
登場人物紹介
描き下ろし？。レギュラーキャラの雰囲気が動きからもよくわかる絵です。ちなみにケイちゃんがいなくて魁さんの素顔が出ているあたりが漫画版の方向性を物語っているのではないかと。
第３話「消えたプリンセス」
アニメ版の第４話「誘拐されたプリンセス」と第８話「幻のガママイマス」を足して再構成したものですが。同じ話のように感じるものの、本質的な部分は見事にオリジナルとして昇華されています。
さて。この回最大のゲストキャラクター・栃若桜子ちゃんを外人のカキッツバタ・サ・クララちゃんにしてます。おそらく、金髪です。縦ロールです。お嬢様です。もうバッチリです（笑）。この変更、頭の中身が少しばかり危なかった桜子ちゃんを、少しピントがずれていても魅力的な女の子として描くためでしょう。桜子ちゃんはソウシ君でなくとも逃げ出したくなるような感じというか、そのピンぼけぶりを描く話でしたから（笑）。是非とも、クララちゃんを西原久美子さんの声で見てみたい物です。
そして、誘拐犯を黒天狗に変更。ＴＶでもイサミちゃんとケイちゃんを飲み込んでいたガママイマスを誘拐の小道具に使うことで、上手く２話をくっつけています。
そして、肝心のストーリーは…ローマの休日ですね。外人という設定でアメリカ帰りのイサミちゃんを上手く絡めたり、ガママイマスがよりメカっぽいデザインになっていたり、見所は多いですが。やっぱり、クララちゃんのかわいさがこの話を引っ張っていますね。さすがに王女様なんて設定なので、この話の後があったとしてもソウシ君とどうこうということはないだろうことがちょっとばかり残念ではありますが（笑）。
第４話 「ねらわれたピアニスト」
こちらはアニメ版の第７話「狙われたピアニスト」を黒天狗党絡みに置き換えた話ですが。オリジナルキャラを配置することによってなにやら方向性が大分変わっていますね。第10話「二つの顔を持つ男」の芹沢会長絡みの部分もさりげなく入ってます。
元の話はライバルキャラが男を雇って妨害するという「ご町内探偵物」の一編でしたが。今回は雇い主を黒天狗、雇われる方を「必殺仕事人のジョニー」という元サックス吹きのミュージシャンにしたことによって人情物的なプロットになっています。この話、もはやピアニストのみどりさんの警護のドタバタという面は薄れてしまって。ジョニーの葛藤と、彼を慕うイサミちゃんの葛藤という２幕で物語が流れていきます。ジョニーのキャラクターが単純な悪ではないおかげで、いい感じに話を盛り上げてくれます。
そして、ジョニーをそそのかして悪の手先…そして捨て駒として使おうとする黒天狗。カラス天狗７号を含め、非情なまでの組織を描くことによって、イサミちゃんたちの正義と龍の剣の真価を見せつけています。
この話、ある意味、漫画版飛べ！イサミの縮図みたいなものを感じさせます。この後の激化する戦いとイサミちゃんたち新選組の果たす役割をキッチリと予感させていますね。
イサミくらぶ「大江戸かわら版」
１巻と同じく読者ページとしての募集だけです。同時発売ですしね。
(2004.03.21)