８巻です。瑠美之流忍者の里です。ルミノタイトに関するあたり以外は完全にオリジナルでストーリーが進んでおります。「黒天狗党」の特撮系悪の秘密結社的な描かれ方が大きな一冊です。
カバー
オーソドックスな方向に戻って「戦うイサミちゃん」です。背景はＭａｃということで、ドットです。…言われないと気が付かないでしょうが。
裏表紙側は電話を持っている鎧天狗。鎧天狗はその存在自体がギャップの塊ですが、また、凄い絵をチョイスしてきています。単行本表紙側は負傷したミイラ男とイサミちゃん。ＴＶ本編の盛り上がったあたりです。裏表紙は漫画中で谷を渡るための罠のシーン。段々と、裏表紙は壮大なシーンを使うようになってきています。
電動写真設定画は黒天狗や芹沢会長の新設定や白頭巾、はるか先生の子供時代、ロコモービルなどメインに近い設定画目白押しです。
扉＆登場人物紹介
今回は探索行ということで探検ルックのイサミちゃん。人物紹介は趣向を変えて三人組が画面三分割で「格好良く」描かれています。そして、今回は「連続物」になってきたことを意識してか粗筋も付いているのですが…なんかあんまり関係ないサンタ天狗が目立つ位置にいて笑えます。
第14話「忍者の里にルミノタイトを捜せ！」
ベース設定はＴＶ版の瑠美之流忍者の里の物を使ってはいますが、ストーリーは別物という…いつもの形式ですね。今回は山に隠されたルミノタイトを捜すことと襲い来る黒天狗党の怪人との戦いがメインです。このパターンは秘宝探索ものの冒険譚の王道ですね。
ちなみに、今巻は冒頭、正座して申し訳なさそうに謝るはるか先生の大ゴマが見所です（笑）。
そして、空から降ってくる怪人軍団。映画版ＧＩジョーのＯＰを思い浮かべたりするとダメでしょうか？。遠すぎた橋（マーケットガーデン作戦）のＯＰは？。それはともかく、鼻が長いだけの怪人というか変人というか…こんな奴らが大挙して降ってきたら確かに恐いですわ。読者応募作品を展開させるための演出というには豪華すぎる内容です。
長谷川先生お約束のお風呂も露天風呂で（笑）。しかも、芹沢会長にルリ子さんが付いてきているのは、やはりお風呂要員…（笑）。
四天王との戦いにギリギリで勝ち、鎧天狗の正体もバレ…というところから一気に黒天狗登場、新選組の敗北、さらわれる男性陣、失意の黒天狗、隠されていたルミノタイトと怒濤の展開です。このテンポの良さは映画を見ているかのようで、引き込まれます。特に、途中に挟まれた「黒天狗の独白」は悪人のセリフでありながら、彼の悲しい「悪」でない一面が覗かれて双方共に悲惨な展開という暗い幕引きを演出しているかと。
そして、その暗さを払拭するかのように…ニイハオ三姉妹で締めるあたりが絶妙です、ホント（笑）。
イサミくらぶ「大江戸かわら版」
今回も９頁は変わらず。「浮世絵名人展」「浮世絵職人衆」「おたずね申す」「イサぴ〜」「イサミsoundぷろだくつ」の連載コーナーの他には。「ユニークキャラクター賞発表！」ということで、読者からのオリジナル天狗が発表されています。キャラクター・コンテスト（人気投票）の中間発表も。
(2004.05.09)